要約力こそが文章力向上のかなめ!「大人のための国語ゼミ」
こんにちは!もえです。
今回はこちらの本を読みました!
大人のための国語ゼミ / 野矢茂樹
この記事では、本の概要と特に参考になったところなどをまとめています。
こんな人におすすめです!
・文章作成や読解に自信がない人
・子供のピュアな質問に上手く答えられない人
・会議などで反論したいのに上手くできない人
本の著者と概要
著者の野矢茂樹さんは東京大学大学院総合文化研究科の教授をされていて、哲学専攻だそう。
本書の他に哲学や論理に関する本を多く出版されています。
本書は大人の”国語力”を鍛えることを目的とされています。目次は以下の通り。
- 相手のことを考える
- 事実なのか 考えなのか
- 言いたいことを整理する
- きちんとつなげる
- 文章の幹を捉える
- そう主張する根拠は何か
- 的確な質問をする
- 反論する
当然、後半に行くにつれ読むスピードが遅くなっていきました。
内容が難しくなっていくからです。
とはいえ本書は問題形式で進むので、ページをめくる手が自然と止まらなくなります。
「答えが知りたい!」と思わせるようなちょうど良い問題ばかりで読みやすかったです。
「少し難しそうな本かな?」と思いつつ手に取りましたが、自然と引き込まれて読みやすかったですよ!
大人のための国語の授業という言葉がぴったりです!
接続詞の重要さ
本書では「きちんとつなげる」と表現されています。
いかに普段、正しい接続詞に無頓着であったかが分かります。
たとえば、こちら。
次の文章中で不適切な接続表現を一箇所指摘し、適切な言い方に訂正せよ。
音楽の教科書などを見ると、髪をカールさせたモーツァルトの肖像画が載っている。あの髪はかつらである。では、どうしてモーツァルトはかつらをかぶっていたのか。禿げていたからではない。フランス革命以前のヨーロッパでは、かつらが貴族の社交における正装だったのである。しかし、フランス革命によって貴族の力が失われ、かつらもすたれていった。例えば、バッハやモーツァルトはかつらをつけているが、フランス革命以後のシューベルトやショパンはかつらをつけていない。
書店で立ち読みした際にこの問題を読んで「わからない!」と思ったことが、購入の理由の一つになりました。
不自然な場所はわかるけれど、このままでも不自然でない気もするし・・・と思ったのです。
分からない同士の方にはぜひご一読をおすすめします!
このように、正しい接続詞が使われていない文章でもなんとなく読めてしまうし、文章全体の意図は伝わってしまうのだということを理解しました。
このままでも日常生活は送れてしまう。
けれど文章力アップを目指す人間としてはその違いを使い分ける力を身につけたいと思いました。
要約の練習が国語力を鍛える肝
文章を木に喩えよう。幹があり、大小の枝があり、葉が繁っている。
幹とは筆者の中心的主張である。そして、それを取り巻いてさまざまな枝葉がある。より分かりやすく説明したり、具体例を挙げたり、補足したり、横道にそれたりといった部分が、多くの場合に枝葉となる。
枝葉を切り取ると幹の姿が見えてくる。おそらく、「読む」ということが苦手な人は、そこに並んでいるすべての文、すべての言葉が、等しい重みに感じられているに違いない。幹も枝葉も区別なく、ただ入り組んだ藪のように見える。
なるほど、と思いました。
私もたまに出会う難しい本は読み進めることが辛くなってきていました。
まさに藪の中にいるようです。
重要な部分を読み取って、強弱をつけながら読むと理解しやすいのですね!
この章では要約の練習をしていくのでノート必須です!
解答と一言一句たがわず要約できた時は嬉しかったな。
自分がたとえ話を要約にいれたがる傾向にあることも分かりました。
面白さや分かりやすさを優先してしまうのだろうなと推測。
しかしこの章が終わるころには、「これは補足だからあまり気にしなくていいな」「問題提起!”根”だ!」と、なんとなく要約のコツをつかむことができました。
まとめ
- 正しい接続詞をつかえる=正しく文章構造を理解できている
- 要約トレーニングこそが文章力向上につながる
おもしろくて読み応えのある本でした。
筆者は一か月ほどかけてゆっくり読み進めることをすすめています。
また本書でも同じく、”わかりやすい文章を書きたいなら、言いたいことを整理すること”の重要さを述べられています。
やはり、良い文章を書くには前段階の準備が大事なのですね。
これも大きな学びでした!
☆今回読んだ本「大人のための国語ゼミ」
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